「英検は日本に帰らないと受けられない」と思われている保護者の方は少なくありません。実はシンガポールでも英検を受験することができます。
帰国生入試では英語資格が評価される場面が多く、また早稲田渋谷シンガポール校の内部推薦でも英語資格が評価要素になります。シンガポールにいる間に英検を取得しておくことは、進路の選択肢を広げる有効な準備です。
この記事では、シンガポールでの英検受験について以下の点を解説します。
- シンガポールでの受験の仕組み(準会場とは何か)
- 受験できる級とできない級
- 申込先と申込方法
- 級ごとの対策の考え方と受験時期の注意点
シンガポールでの英検受験の仕組み
まず、海外での英検受験の制度を理解しておく必要があります。
「本会場」と「準会場」の違い
英検には「本会場」と「準会場」という2種類の試験会場があります。
本会場は英検協会が設置する会場です。海外の本会場は限られた国にしか設置されていません。
準会場は、英検協会が準会場として認めた団体(学校・塾・企業など)が設置する試験会場です。受験者が所属する団体から団体申込をし、その団体が設置した会場で受験する形式になります。海外では日本人会や日本人学校などが主体となって「海外特別準会場」として英検を実施しているケースが多くあります。
シンガポールはこの準会場方式での受験になります。
シンガポールで受験できる級
準会場では、受験できる級に制限があります。
シンガポールの準会場では、2級・準2級プラス・準2級・3級・4級・5級を従来型(筆記の一次試験と面接の二次試験に分かれる形式)で受験できるとされています。実施回数は年3回です。
一方、準1級と1級は準会場では受験できません。これらの級を受験したい場合は、日本に一時帰国して受験する必要があります。
英検S-CBTという選択肢
従来型とは別に、英検S-CBTという受験方式があります。
これはコンピューターを利用して4技能を1日で測定する方式で、問題形式・難易度・級認定・英検CSEスコア・合格証明書の発行はすべて従来型と同一とされています。従来型との併願も可能です。
英検S-CBTには海外会場も設けられていますが、実施会場や実施頻度は時期によって変わるため、シンガポールで受験できるかどうかは必ず英検公式サイトの最新情報でご確認ください。夏休みなどの一時帰国のタイミングで日本国内のS-CBTを受験するという選択肢もあります。
申込方法と注意点
準会場受験は、団体を通じた申込になるため、通常の個人申込とは手続きが異なります。
シンガポールでの主な申込先
シンガポールでは、シンガポール日本人会と一部の団体が準会場として英検を実施しているとされています。
シンガポール日本人会経由で受験する場合は、日本人会の会員または家族会員である必要があります。お子さんが受験する場合は、お子さん自身も入会している必要がある点に注意してください。
さつき学園シンガポールでは、内部生でなくても一般の方が受験できる形で実施されているとされています。日本人会の会員ではない方にとっては、こちらが選択肢になります。
ただし、実施団体・実施の有無・受験可能な級・日程・検定料は年度や回によって変わります。英検協会側から準会場団体の紹介はできない仕組みになっているため、受験を検討される際は各団体に直接お問い合わせください。
申込の締切は早めに設定されている
準会場受験は、検定日の1〜2ヶ月以上前に申込締切が設定されているケースがあります。
「受けたい回の直前に申し込む」ことはできないため、年間の実施スケジュールを早めに把握し、逆算して申し込む必要があります。支払いの確認が締切までに取れない場合は申込がキャンセルされる運用もあるため、手続きは余裕を持って進めてください。
検定料は現地通貨での支払いになる
海外での受験では、検定料が現地通貨で設定されており、為替の状況によって変動することがあります。日本国内の検定料とは異なるため、実施団体の案内でご確認ください。
級ごとの対策の考え方
どの級を受けるべきかは、目的によって変わります。
進路で活用することを考えるなら2級以上を目標に
帰国生入試や内部推薦で英語資格を評価材料として使う場合、一定以上の級が求められることが多くなります。
シンガポールの準会場では2級までが受験可能なため、まずは2級の取得を一つの目標に据えるのが現実的です。準1級以上が必要な場合は、一時帰国のタイミングでの受験、または英検S-CBTの活用を検討することになります。
4技能のバランスを意識する
英検はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能を測定します。
シンガポール在住のお子さんは、リスニングとスピーキングで比較的得点しやすい傾向があります。一方で、日本語での指示文の読み取りや、ライティングでの構成の作り方でつまずくことがあります。「英語ができるから対策は不要」と考えず、試験形式に沿った練習をしておくことが確実です。
二次試験(面接)の対策も必要
従来型は一次試験(筆記)と二次試験(面接)に分かれています。
一次試験に合格しても二次試験で不合格になるケースはあるため、面接形式に慣れておく練習が必要です。特に、質問に対して即座に構成を組んで答える練習は、日常会話ができるお子さんでも別途訓練が必要な部分です。
まとめ
シンガポールでの英検受験について、押さえておくべきポイントを整理します。
- シンガポールは準会場方式で、年3回の受験機会がある
- 受験できるのは5級から2級まで(準1級・1級は準会場では受験不可)
- 申込は準会場を設置している団体経由で行う
- 日本人会経由の場合は会員資格が必要
- 申込締切は検定日よりかなり早く設定されているため、逆算した計画が必要
- 実施内容は年度により変わるため、必ず最新情報を各団体・公式サイトで確認する
