高校受験のタイミングで帰国が重なるご家庭から、「シンガポールにいる間に何をしておけばいいのか」というご相談をよくいただきます。
高校受験は中学受験と比べて情報が少なく、さらに帰国生入試となると学校ごとに制度が異なるため、何から手をつけるべきか分かりにくい領域です。しかし、海外にいる間にできる準備は少なくありません。
この記事では、帰国子女の高校受験について以下の点を解説します。
- 帰国生入試を実施する高校の種類と制度の違い
- 出願資格で確認すべき3つの条件
- 国立・公立・私立それぞれの試験時期
- シンガポールにいながら進められる具体的な対策
帰国生入試を実施する高校の種類と制度の違い
まず、志望校の選択肢を整理しましょう。
国立・公立・私立で制度が大きく異なる
帰国生入試は、国立高校・公立高校・私立高校でそれぞれ異なる運用がされています。
私立高校は帰国生入試を実施している学校が比較的多く、選考方法も学校ごとに多様です。中には海外にいる受験生向けにオンラインで試験を実施する学校もあります。
公立高校の場合は、都道府県によって制度が異なります。帰国生入試を一般入試とは別日程で実施する自治体もあれば、同日に実施する自治体もあります。また公立の全日制高校では、入学日までにその都道府県へ転居が確実であることが応募資格の条件になる場合があり、出願書類の提出前に応募資格の審査が行われるケースもあります。帰国時期の判断に直結するため、志望する自治体の教育委員会には早めに問い合わせることをおすすめします。
試験時期の目安
一般的な目安として、次のような傾向があるとされています。
ただしこれらは傾向であり、学校・自治体・年度によって変わります。必ず志望校の最新の募集要項でご確認ください。
出願資格で確認すべき3つの条件
帰国生入試には出願資格が設けられており、これを満たさなければ受験そのものができません。
条件1:海外在住年数
海外にどれだけの期間滞在していたかが条件になります。一般的には2〜3年程度を条件とする学校が多いとされていますが、1年以上とする学校もあり、幅があります。
条件2:帰国後の経過年数
帰国してから何年以内かという条件です。こちらも帰国後2〜3年以内を条件とする学校が多いとされています。
つまり「帰国してから学校を探す」という順序では、経過年数の条件で出願できる学校が絞られてしまう可能性があります。志望校の候補は、帰国前から確認しておくべきです。
条件3:在籍していた学校の種類
インターナショナルスクール、日本人学校、現地校のいずれに在籍していたかも条件になります。多くの学校は上記いずれも対象としていますが、学校によって扱いが異なる場合があります。
この3条件の組み合わせによって、出願できる学校が決まります。帰国のタイミングを家庭で調整できる余地がある場合は、この条件との整合性を考慮して決めることが理想です。
シンガポールにいながらできる4つの対策
では、海外にいる間に何ができるのか。優先度の高い順に整理します。
対策1:英語資格を取得しておく
帰国生入試では、英検やTOEFLなどの英語資格の有無・取得級が評価される場合があります。
シンガポールは英語環境であり、英検も現地で受験できるため、この環境を活かして早めに資格を取得しておくことは大きなアドバンテージになります。資格は出願書類に記載できる客観的な実績であり、また出願資格そのものに関わる学校もあります。
対策2:学校の成績(内申点)を落とさない
高校受験では、帰国生入試でも内申点が加味される場合があります。
日本人学校に在籍している場合は、定期テストと提出物を確実にこなし、通知表の成績を維持することが重要です。
現地校・インターナショナルスクールに在籍している場合も、在籍校の成績証明書が出願書類として必要になるため、日々の成績は評価対象になります。
対策3:出願書類の準備を早めに始める
帰国生入試では、一般の受験生よりも準備する書類が多くなります。
海外在留証明書、在籍校の成績証明書などは、取得に時間がかかることがあります。特に在籍校が発行する書類は、学校の事務手続きのペースに依存するため、余裕を持って依頼してください。書類の不備や記入漏れで出願できないという事態は、最も避けたい失敗です。
対策4:学力試験の対策を継続する
帰国生入試でも、多くの学校で国語・数学・英語などの学力試験が課されます。
日本語での学習環境が限られる海外在住だからこそ、この部分の対策は意識的に継続する必要があります。特に現地校・インター校在籍のお子さんは、日本の教科書に沿った国語・数学の学習を別途進めることが不可欠です。オンラインでの学習サポートを活用すれば、シンガポールにいながら日本の受験カリキュラムに沿った対策を進めることも可能です。
まとめ
帰国前の準備が選択肢を決めます。帰国子女の高校受験で重要なポイントを整理します。
- 国立・公立・私立で制度と試験時期が異なるため、志望校の種類ごとに確認が必要
- 公立高校は転居の確実性が応募資格になる場合があり、教育委員会への早期問い合わせが有効
- 出願資格は「海外在住年数」「帰国後の経過年数」「在籍校の種類」の3条件で決まる
- 英語資格の取得は、シンガポールの環境を活かせる最優先の準備
- 内申点と出願書類の準備は、帰国前から着手すべき項目
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