幼児教育・知育コラム

2026.10.13

日本語の読み聞かせにはどんな効果がある?絵本の選び方


毎晩の読み聞かせ、なんとなく良いとは聞くけれど、実際どんな効果があるのだろう。そう思いながら続けている方は多いのではないでしょうか。海外では日本語の絵本は手に入りにくく、家にある冊数も限られます。同じ本ばかりで意味があるのかと、気になることもあるかもしれません。今回は、読み聞かせで育つ力と、絵本の選び方について整理してみます。

1. 読み聞かせで育つ力

まず大きいのが、語彙が広がることです。日々の会話は「今」のことが中心ですが、絵本には季節の言葉、気持ちを表す言葉、昔話の言い回しなど、生活の中では出てこない言葉が入っています。日本語に触れる時間が限られる環境では、この差がそのまま語彙の差になります。次に、話の筋を追う力です。はじめ・なか・おわりのある話を繰り返し聞くと、出来事を順序立てて捉える感覚が育ち、自分で話を組み立てるときの土台になります。さらに、登場人物の気持ちを想像する経験や、座って最後まで聞く姿勢も自然に育ちます。そして何より、読んでもらった時間そのものが心地よい記憶として残ります。日本語が「楽しい時間の言葉」になることは、長い目で見ていちばん大きな効果かもしれません。

2. 読み聞かせでよく見られる姿

・同じ絵本ばかり読みたがる
・ページをどんどんめくってしまい、最後まで読めない
・日本語の絵本を出しても、英語の本を持ってくる
・字を指して読ませようとすると嫌がる
どれも心配のいらない姿です。同じ本を繰り返すのは、内容を確かめながら言葉を自分のものにしている最中ですし、最後まで読めない日は、絵を見ながら話すだけでも十分に意味があります。

3. こどもクラブの3歳児・4歳児コースで、聞く力をどう育てているか

読み聞かせのあいだ働いているのは、「聞いて、頭のなかに思い浮かべる」力です。教室では、これを絵本とは別の形で扱っています。3歳児コースの音あては、何の音かを耳だけを頼りに当てる活動です。目に見えないものを想像し、それを言葉にして伝える。絵のないページを聞いているときの頭の働きと、よく似ています。聞いたことを覚えておく力も、ここで一緒に育っていきます。4歳児コース(N2)では、聞いた話を自分の言葉で言い表す練習を重ねます。この時期は「言える」ことと「わかって使える」ことの間に距離があり、語尾まで正しく言い切る経験が、耳から入った言葉を自分のものにしていく助けになります。読み聞かせはご家庭でもできますが、同じ話を同年代の子と一緒に聞き、感じたことを言い合う場は作りにくいものです。読んでもらう側から、聞いて返す側へ。その往復があると、言葉は使える形で身についていきます。

3歳児コースで扱っている活動は、関連記事「3歳児コース(Nursery1)では何をする?遊びながら育てたい力」でご紹介しています。

4. 絵本の選び方

選ぶときの基準は、年齢よりも「今の興味」です。目安として、次のような選び方があります。

3歳ごろ
繰り返しの多い話や、リズムのある言葉の絵本が向いています。擬音語・擬態語の多い本は、声に出すだけで楽しめます。

4〜5歳ごろ
物語や昔話を楽しめるようになります。季節や行事をあつかった絵本は、日本の文化に触れる入り口にもなります。

6歳ごろから
少し長い物語や、図鑑・知識の本も加わってきます。自分で読み始めても、読み聞かせをやめる必要はありません。

冊数が限られる場合も、無理に増やそうとしなくて大丈夫です。少ない冊数を繰り返すほうが、言葉はかえって定着します。帰省時にまとめて選ぶ方法もあります。読み方も、上手に読もうと気負う必要はありません。感想を聞き出そうとすると、楽しい時間が試験のようになってしまいます。子どもが話し始めたら聞く、それで十分です。ご家庭で日本語を読んであげる方が一人だけでも、その時間の価値は変わりません。

よくある質問

Q. 毎日読んだほうがいいですか?

A. 長さより頻度です。5分でも毎日のほうが言葉は定着します。とはいえ読めない日があっても積み上げたものが消えるわけではないので、気にしすぎないでください。

Q. 同じ絵本ばかり読みたがります。新しい本にしたほうがいいでしょうか?

A. そのままで大丈夫です。繰り返し読んでもらう中で、子どもは言葉を覚え、自分のものにしていきます。「次のページ、何だっけ?」と聞いてみると、覚えている言葉が出てきて驚くこともあります。

Q. 英語の本ばかり持ってきます。日本語だけにしたほうがいいですか?

A. どちらもで構いません。読み聞かせの目的は、まず本を楽しいと感じることです。そのうえで「寝る前の1冊は日本語」のように決めておくと、無理なく続けやすくなります。

Q. 何歳まで続ければいいですか?

A. 自分で読めるようになっても、続けて構いません。聞いて理解できる話のレベルは、自分で読めるレベルよりも先を行くからです。

おわりに

読み聞かせは教材ではなく、親子で過ごす楽しい時間です。効果は、その時間を重ねたあとからついてきます。うまく読めた日も途中で終わった日も、同じように意味があります。絵本選びに迷ったら、お子さんの年齢や興味に合わせたおすすめをご案内します。教室では同じ時期にどんなことをしているのか、無料資料でもご覧いただけます。

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