一年を通して気候の変化が少ないシンガポールで暮らしていると、日本の四季や行事を実感する機会は自然には訪れません。今回は、日本の季節感や行事を、日々の暮らしの中でどのように伝えていけるかについて考えてみたいと思います。
1. 季節行事に触れる機会が少なくなりがちな理由
日本では、桜や紅葉、七夕やお正月など、季節の変化そのものが行事を思い出すきっかけになります。シンガポールのように気候の変化が少ない環境では、こうした自然な「きっかけ」が少なく、意識的に取り入れないと、季節行事に触れる機会がないまま一年が過ぎてしまうこともあります。日本にいれば当たり前に目に入るスーパーの季節商品やテレビの特集なども、海外では自然には入ってこないため、気づいたときには時期を逃してしまっていた、ということも珍しくありません。
2. よくある悩み
「こどもの日にかぶとを折ってみたけれど、由来をうまく説明できなかった」「七夕の短冊を書いたものの、その後の話が広がらなかった」といった声はよく聞かれます。行事そのものは知っていても、なぜその行事をするのか、日本でどのように過ごすのかまでを伝えるのは、意外と難しいものです。
代表的な行事だけでも、お正月(一年の始まりを祝い、家族の健康を願う)、ひなまつり(女の子の健やかな成長を願う)、こどもの日(男の子の成長を願い、鯉のぼりや兜を飾る)、七夕(短冊に願い事を書く)、お月見(秋の満月を眺め、収穫に感謝する)など、季節ごとにさまざまなものがあります。すべてを完璧に扱う必要はなく、まずは1つか2つから始めてみるだけでも十分です。
3. こどもクラブで大切にしていること
こどもクラブでは、日本の季節や行事を教室のカリキュラムに積極的に取り入れることを、教育方針の一つとして大切にしています。行事にちなんだ制作や活動を通じて、由来や意味に触れながら、日本の文化を体感的に感じてもらう時間を設けています。海外で暮らしていると得づらい「季節の移り変わりを感じる経験」を、教室での活動を通して補っていくイメージです。
行事を扱う際も、由来を一方的に説明するのではなく、制作や歌、遊びを通じて自然に触れられるよう工夫しています。「なぜその行事をするのか」を丸暗記させるのではなく、まず楽しい経験として記憶に残ることを大切にしており、由来への理解は、その後少しずつ深まっていけば十分だと考えています。
4. 家庭でも取り入れやすい工夫
おうちでは、行事の日にちなんだ料理を一緒に作ってみる、飾りつけを一緒に用意する、といった小さなことから始めるのがおすすめです。由来を完璧に説明できなくても、「今日は特別な日」という感覚を親子で共有するだけでも、十分な経験になります。写真を撮って毎年見返せるようにしておくと、「去年はこうだったね」という会話が生まれ、季節の移り変わりを感じる手がかりにもなります。
5. よくある質問
Q. 日本の行事について、親自身があまり詳しくありません。教えられるか心配です。
A. 大丈夫です。完璧に説明できる必要はなく、一緒に調べたり体験したりする姿勢そのものが、お子さんにとって良い経験になります。
Q. シンガポールの行事と混同してしまわないか心配です。
A. 両方の文化に触れること自体は、悪いことではありません。それぞれの行事を「どちらも自分にとって大切なもの」として自然に受け止められるようになっていきます。
Q. 行事に関する教材や道具は、教室で用意してもらえますか?
A. はい。教室での活動に必要な教材はご用意していますので、ご家庭で準備していただく必要はありません。
Q. 行事によって、扱う内容の難易度は変わりますか?
A. はい。年齢やコースに応じて、由来の説明の深さや制作の難易度を調整していますので、それぞれの発達段階に合った形で取り組んでいただけます。
6. 教室での季節行事の様子も、ぜひご覧ください
教室で行っている季節行事の様子は、資料請求や体験レッスンでご紹介しています。

